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洗心会報20110609 「花に寄せる心」

洗心会の皆様・松浦社中の皆様

洗心会報20110609 「花に寄せる心」_d0162246_15222386.jpg■7月18日(月・祝)「茶花の特別稽古」を行います。(3000円)
いろいろな花器に季節の花を入れる実践稽古。松浦宗靖先生監修。
10:00~
13:00~(希望者多数の場合のみ2部制にします。途中参加、早退可能)
科目:花寄、廻り花など

たくさんの季節の花と籠を用意しますので、想い想いに、「思うようにならない」花と、何度も向き合ってみてください。(笑)

※花・花籠・茶・菓子・軽食の用意をする都合上、予め出欠をとります。
お手数ですが、皆様のご都合、出欠のほど、お早めにメールで宗光までお知らせください。お休み中の方もどうぞ。 Pp421216.h@dpcomo.ne.jp       宗光 拝

~~~花と向き合う~~~

桃紅李白薔薇紫 問起春風總不知
  とうこうりはく そうびむらさき これをはるかぜにとえばしらず

<白隠の言葉>
【意】桃の花があかく、すももの花が白く、バラの花が紫色に咲いている。その理由を春風にたずねたが、まったく分からないという。自然は、自ずから然り、おのずからそうなっているのだから。

【解釈】「ならば何もしないでよい」ということでなく、それぞれが精一杯生きてゆけば、おのずから成るように成るということでしょうか。何色になろう!と執着せず、ひたすら自分を活かすこと。結果として、自分の「姿」ができてくるとも。

【雑感】同じように、「なぜあの人はああなのか?」「なぜこうならないのか?」と悶々と考えても仕方ない。桃は紅さを、すももは白さを愛でるべき…とも取れますね。(笑)

洗心会報20110609 「花に寄せる心」_d0162246_1513477.jpg【白隠慧鶴(はくいん えかく)1686-1768年臨済宗中興の祖と称される江戸中期の禅僧。
書画(添付)や健康法でも有名。健康法:http://www.wet4.info/guide02/09.html 

古来、花から多くの学びと悟りを得た禅師が居らっしゃいます。
その意を組み、茶人たちは茶室に花を取り入れました。茶道具には現在も利休居士が使った現物が残っているものもありますが、花はその時々で終わり、決して時空を超えることができません。まさに、茶道を受け継ぎながら、一人として生き残ったものはない「私たち人間」と同じです。

茶室で花と向き合うことは、一般的に花を生けて部屋を飾るのとは、少し意味合いを変えて考えてみることも大切そう……。そこに在るのは自分自身だったり、関わり合う「誰か」だったりします。思うに任せない自然の花を相手に、その「意」を汲んで、「野に在るように=自然」とは何かを考える日になればと思います。

立花では、花を「立てる」といい、
生花では、花を「生ける」という、
茶道では、花を「入れる」と表現します。「入れる」の意味をご一緒に体験しましょう。

茶席での花のありようを珠光はこう表現しています。
『花の事、座敷よきほど、かろがろと有るべし。』
【注:村田珠光(むらた しゅこう)1423~1502
室町中期、東山時代の奈良の人。能阿弥から立花と目利きを学び、一休宗純和尚に参禅し、仏法が日常茶飯事にあると悟り、珠光流茶道を開き、能阿弥に伝え、将軍足利義政の茶道師範となった。それまでの外形的な形式美を求める茶の湯に対し、一歩内面的、精神的な美を深めた。】

「茶花はその座敷にほどよいくらいに、かるがるとしているべきだ」
花の種類や量、入れる姿のことも言っていますが、花入れに入れるときの、こちらの心持ちにも言及していると思います。「茶花は、かろがろと有るべし」……。花を入れたときに求めるのは、他人の称賛や評価でないし、必要なのは黄金律やテクニックでもない、入れる側も、見る側も、問題は、入れる側、見る側の「心のありよう」なのですね。

そこで、「潔いこと滝の如し」「執着せぬこと風の如し」の、敬愛する松浦宗靖先生が、花に一言二言つぶやいてから、やおら「ぽん」と花入に投げ込む「姿」も楽しみに拝見しましょう。

お休み中の方も、単発で参加できる稽古です。奮ってご参加ください。
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松浦 宗光(ひかり)
102-0084 千代田区二番町9-2-401
http://hsuzuki.exblog.jp/紀尾井町茶道倶楽部 洗心会 主宰
稽古場 千代田区紀尾井町清水谷偕香苑
http://tokyosadou.exblog.jp/ (ブログ)
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by tokyo-sadou | 2011-06-09 00:07 | 会報バックナンバー
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