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洗心会報20100226「春」

洗心会 みなさま
CC サポーター各位

日足は延び、暖かい風が吹き、色鮮やかな花が咲き始めました。
今日はオフィスの窓を開けてデスクに向かいました。

まさに「春宵一刻値千金」(しゅんしょういっこくあたいせんきん)ですね♪

これは、宋代第一流の詩人蘇軾(そしょく)の七言絶句「春夜」の起句です。
蘇軾はお役人さんで古典学者で、結局は文化人…。
出世したり左遷されたりしながら、後に宋代随一の詩人と謳われました。

春宵一刻直千金、
花に清香あり月に陰あり。
歌管楼台声細細、
鞦韆院落夜沈沈。

<ひかり訳>
春の宵は暑くも寒くもなく、なまめかしい風を送ってくる。
金を投じてこの時間を買うに値する。こうした一瞬こそが人生。
花は香り、月は影を落とし、ああ、もう、いー!と感激です。
間近にライブを聞くより、遠い演奏を微かに聞くのが、かえって心に沁み入る宵。
庭は静寂の中に闇となり、誰も乗らないブランコが揺れている…。
(自然、もの、宇宙、今と言うこの時…それらと自分が完全に一体化して普遍と永劫を感じている今!幸せです…。)

仕事や生活はさほど他人と変わらぬようでも、頭の中や、心で感じる世界は、かほど雲泥の豊かさが在るものかと、絶句を読むと感激します。
私も茶道を通じて、侘び数寄を体得し、現世の極楽を我がものにしたいものです。

宗光 拝
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■SOON!<近日の稽古日>
※休みの連絡は必ず携帯メールへ:***********
>>>>
3月4日(木)16:00~21:00 「雛祭」※欠席は今のところ聞いておりません。
3月18日(木)16:00~21:00 「花」
4月1日(木)・4月15日(木)
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■シーズンCOLUMN <<季語>> 

※「季語」に親しみましょう。
「春雪(しゅんせつ)」「春雷(しゅんらい)」「春めく」「山笑う」…そうそう、春は「山笑う」、夏は「山滴る(したたる)」、秋は「山粧う(よそおう)」、冬は「山眠る」と四季折々に山の姿を表現します。素敵でしょう!?

草木が芽吹き、花が咲き鳥のさえずる春の山を擬人化して「山笑ふ」と表現したのですね。
★出典は諸説あるようですが、これも中国北宋(!)の画家、郭煕(かくき)
(約1023年—約1085年)の「郭煕画譜」によるとされています。
まったく、中国には参りますね。でもせっかくの土壌でも耕し続けてこそ、です。

私が好きな季語は「東風(こち)」。春に東から吹く風でまだ寒く、しゃきっとする感じ。
「強東風(つよごち)」「朝東風」「夕東風」など。
西洋では、東から吹く風は「変化の兆し」と言われますし、風水では東からは
有益な情報が入ってくる…と言いますね。東風を感じて、人生の舵を取ろうかな。
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禅語茶友(ぜんごさゆう)
※好きな禅語を季節とともに紹介します。ともに言霊を愛でてください。
PROFILE NO:005 春色無高下 「しゅんしょくこうげなし」
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<解説>春色高下無・花枝自短長、と続く。「普灯録」から。
春の光はわけへだてなくふりそそぎ、春の風情に満ちている様。
秀吉のが催した「醍醐の花見」や「園遊会」とは行きませんが、春の日の下でビニールシートや毛氈を広げての野点は、格別至極で天上界の酔狂ですね!
春陽は平等に降り注ぎ自然の恵みをもたらします。花は、「お金持ちの庭だけ特別に美しい色づけの花を咲かせよう!」などと考えません。分け隔てなしです。
しかし、花枝(かし)自(おの)ずから短長(たんちょう)あり…。
陽ざしは同じでも、それを受ける枝には長短あり、花に早咲き遅咲きあり、向きあり、とにかく様々、一様ではない。人もまた同じこと。
それぞれに与えられた因縁の中で精一杯に自己を表現して存在するのみ!
器の大小、長短ありますが、それぞれに仏性を得て世界に生かされている訳ですから、自分らしく、堂々と咲こうじゃありませんか♪(^^)
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■■■お稽古以外の茶会・行事・イベント情報■■■

■IVENT!①NPO響主催、外国人観光客の為の体験茶会■
★2010年3月7日(日)スタッフ・お点前さん募集。(先着10名)
明治神宮 御苑内 茶室「隔雲亭(かくうんてい)」9:00集合
参加費無料。お弁当あり。着物。白タオル持参ご協力ください。
※岩本・岩見・横山・神田佳絵・久富

■IVENT!②「松浦社中・洗心会 合同小寄茶会 2010」■
★2010年10月11日(月・祝)
世田谷区上野毛駅 徒歩5分の五島美術館。茶券8000円(未定)。
7月には茶券の配布が始まり、8月末頃締切。今からお誘いしておいて下さい。
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■お知らせ■
3月6日に引越をし、一時的に上野毛の実家(稽古場)に転居します。
郵送物は転送されますが、住所を記しておきます。

宗光(そうこう)
by tokyo-sadou | 2010-02-07 00:09 | 会報バックナンバー
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