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洗心会会報20120321「利休忌に寄せて」

洗心会 みなさまへ
サポーター各位

陽光が明るく眩しくなって参りました。新しい目標を持つのに相応しい季節です。
私の密かな目標は、一言で言えば「所作曼荼羅(しょさまんだら)」かなと。
所作(立ち居振るまい)に、自然に今の自分が現れ出ます。そこに「悟り」や「平常心」が滲み出るようになりたい、たとえ薄茶一服の平点前でも、と願います。

■明日22日(木)は通常稽古(13:00~21:00)です。
■4月の稽古日は以下の通りです。
 第1週:4月5日(木)終日(午前より可能)
 第3週:4月19日(木)終日(同じく)

頃はお彼岸ですね。お墓参りで身近な自然に接したり、花で部屋を荘厳する機会の多い時期ですね。故人とともに、ちょっぴり古人(古の茶人)にも想いを馳せてみてください。

裏千家では「三大忌」といいまして、利休忌(3月28日)、精中・円能・無限忌(7月5日)、宗旦忌(11月19日)の各忌日には、今日庵において忌にちなむ行事を催し、全国同門社中方の多数の参詣があるそうです。

昨日3月20日は裏千家の東京地区による「利休忌の報恩茶会」が美術倶楽部で盛大に行われ、私も参加いたしました。(下山田さんのお宅のすぐ傍です)

この日は毎年恒例で、日頃の修練をお客様にも見せ、利休様や東日本大震災の被災者へ奉納する「七事式の席」があり、私は今年始めてお役を頂き、五人一組で「炭付花月」をいたしました。数日前に痛めた膝が、立ち居振る舞いを難関にします。

二か月前から緊張のお稽古を積みましたが、本番だけが上手くいくわけはありません。(笑)
本番途中、私はお稽古で一度も間違わなかった個所で、大きく手順を間違えました。
が、四人の仲間は何事もなかったかのように空気を微塵も動かさず、お陰さまで会場の空気も乱さずに、無事自分でリカバーできました。その後、心を落ち着け直すのに十秒程かかりました。

演技終了時には会場から拍手を受け、日頃の精進の不足を恥じ入る悔恨のさなかに、日々積むお稽古そのものが、実は古人への日々の手向けだったことに気づきました。

初心に帰って稽古に打ち込もうと心に刻み、夕方、亡父へも一服を手向けました。
その後、茶会で頂いたたくさんの茶花を土産にし、上野毛の稽古場の仲間と思い思いに花を入れて利休忌を祀りました。床の間の掛軸には観音菩薩の図が掛けられていました。

この世には、正しさより先(上)に美しさがあり、華やかさより深い奥に静寂があるようです。
あのとき、会場全体が心一つに守ってくれた「静寂」の花束が愛しく、有り難かったです。

衣装や諸道具、言葉や酒肴を用いずとも、姿と動きに中に、平常心や優しさが滲みでる所作があります。私は茶道を通じてそれを探求し身につけたいと思います。道は遥かですが。

今週末(25、26日)は京都へ、利休居士を始め千家歴代宗匠の墓参に参ります。
利休切腹のきっかけになった大徳寺山門「金毛閣」で、長谷川等伯の天井龍図も拝観します。洗心会からは青年部に所属の吉森さん、後藤さんと吉田さんが御一緒です。
紋付きを着付け、帯を締め、扇子を持って早朝よりの団体行動は本当に本当に気骨が折れますが、この経験を通じて五感で体得するものは計り知れないでしょう。

人は誰も発展途上。
己の到らなさを恥じることで逃げ道とせず、怠惰と恐れこそ恥じて生きます。
明日も皆様と実りおおき時間を過ごせますように。合掌。南無。

付録【利休を扱う映画】
お吟さま(1962年、松竹 監督:田中絹代 原作:今東光 演:中村鴈治郎)
お吟さま(1978年、東宝 監督:熊井啓 演:志村喬)
千利休 本覺坊遺文(1989年、東宝 監督:熊井啓 原作:井上靖 演:三船敏郎)
利休(1989年、松竹 監督:勅使河原宏 原作:野上彌生子『秀吉と利休』脚本:赤瀬川原平 演:三國連太郎)
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by tokyo-sadou | 2012-03-23 00:04 | 会報バックナンバー

洗心会会報20120316「邂逅の茶会」

洗心会関係者各位

去る3月16日(金)夕刻より、芝公園の下山田邸にて、酒井さんと智子さんの壮行会を実施しました。
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異動前の多忙を縫って、また身重をおして、貴重な時間を割いてくださったお二人に、忘れ得ぬ日をいただきましたこと、これまでの御厚情と合わせ改めて感謝いたします。お二人へ記念の色紙を用意しましたので、壮行会に見えなかった方は明日の稽古で一筆お書き添えください。

万障を繰り合わせて参加いただいた同門の皆様、会場と酒肴をご提供いただいた下山田様、取り寄せ菓子を持参くださった大先生、御持ち出しで茶花を見立て手向けてくださった吉森様、似顔絵を描くのに一日を潰してくださったこともここに添えて御礼申し上げます。
それぞれの茶味あるお志の深さに学ぶことの多い日でした。

d0162246_16433120.jpgまたお料理と会場準備で立ち働き、お茶席にお通りいただけなかった下山田様のお姉さまと、谷田様、前田様には、お詫び申し上げるとともに、好日をお支えくださったお志に深く感謝申し上げます。(彩の膳に、さらに記念品にちなみ、瓢箪の香の物を添えてくださる茶味には感激)


岩見さん有馬さん吉田さんも、忙しい年度末の時間をありがとう。
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お二人への記念品は下記の通りです。
酒井様へ 瓢箪の水筒(酒器)と菊花紋の飾り袱紗
智子様へ 瓢型の備前徳利(置き花入れ兼用)と揃いのぐい飲み

※目黒様より、お二人の記念品代へとカンパをいただきました。
※智子さんのお母様から酒肴料を頂戴しました。
※当日の茶席の室礼一部を会記風にしました。

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  洗心会 「邂逅の茶会」
平成二十四年三月十六日(金)十七時 於 下山田邸茶室

酒井さんの京都栄転 智子さんの初産 ともに芽出度い門出を祝いまた道場を離れて後も 茶友としての変わらぬ心の交流を祈念して春宵一刻を壺中の日月に変えて 薄茶一服差し上げます
                       松浦 宗光 

掛軸 『邂逅(かいこう)』 小野澤寛海和尚 筆
     巡り合いの意
    酒井さんのお引き合わせ 寛海和尚の筆を後に表装 宗靖所持
    本日初使いでお披露目を 智子さんのお母様と宗光亡父は師弟関係 
    後の茶縁や、御結納、御婚儀と折々に清水谷で過ごした思い出を
    この言葉に載せて

花   ときのもの 吉森智浩氏の見立てで

花入  備前徳利  
     お二人がお酒好きだったことや、壺中日月永の数年に 記念品として

香合  都鳥 時代 福原家より
     酒井さんの東京でのひと時を「伊勢物語」在原業平の「東下り」になぞらえ 
     隅田川のゆりかもめを思い出に、
     智子さんはゆりかもめ舞う地での子育てのときどきに回想を

薄器  雪吹(ふぶき)「篝火夜桜」蒔絵 若島宗斉 作 
     四月二十二日、洗心会の初陣となる畠山記念館での三喜会茶会に
     御一緒できないので後見の茶事にかえて

茶杓  銘「洗心」 前大徳 福本積應和尚 作

菓子  若紫 ときわ木 製
      お二人の門出に際し宗靖取り寄せの銘菓 酒井さん悩殺か、心頭滅却なるか

抹茶  濃茶 「式部の昔」  詰 小山園

薄茶 「四方の薫」 詰 小山園       後座の宴席へ
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by tokyo-sadou | 2012-03-16 23:58 | 会報バックナンバー