人気ブログランキング | 話題のタグを見る

洗心会会報20120201「節分]

洗心会の皆様へ

洗心会会報20120201「節分]_d0162246_16322289.jpg「鬼は外! 福は内!」
明日の稽古日は『節分』直前。4日からは暦の春を迎えます。もう春なのですね。

『百花春到為誰開(ひゃっかはるいたりてたながめにひらく)』。大好きな言葉ですが、同時に記念の言葉でもあります。
私が茶名を得て後、初めて自分の為に大徳寺の桃林和尚様に書いていただいた、『マイファーストお軸』なのです。出典は、『碧巌録(へきがんろく)』第五則「雪峰尽大地(せっぽうじんだいち)」の公案の頌(じゅ)にある言葉です。

花は誰の為に咲いているのでしょう?
私の為?貴方の為?蝶ちょの為?みんなの為?競う為?種の保存の為?

否! 花は、己の命そのものを咲かせているのです。無心に、ひたすらに、正直に、精一杯。その花の姿を、自分の生き方の師匠にしたいと思って軸にしました。

「綺麗だと誉められたくて咲いているのにぃ。」
「望まれたから咲いてやっているんだ!」
「別にぃ…、いつかは咲くのが当たり前でしょ?」

どこかに潜む、そんな自分の傲慢と怠惰と無関心(自分自身への)を喝破するこの言葉は、その強い叱咤と裏腹に、とても美しい言葉による優しい問いかけです。心理を言い表すときも、切り込む強さと、沁み込む美しさが大切だなと思う字句です。
花が咲き競う春爛漫にはまだ時間がありますが、ちょうど四月の畠山の茶会に、皆様が花開く頃をイメージしつつ稽古に取り組もうと、明日はこの軸を掛けます。

【お知らせ】
2月から酒井さんが異動準備の為お休み(無期休会)となります。(早すぎる季節に涙)
3月から瀬沼さんが産休に入ります。(体調、気分のいい日はどうぞ!)(感涙と惜涙)
茶友の門出を祝い、語らいの場を設け、壮行会をしてはいかがでしょう。相談の上。

【新入会】
井上豪さんが2月よりお稽古に参加されます。皆様どうぞ宜しくお願いいたします。神楽坂「梅花亭」の次代ご当主。皆さんのお菓子の好みや反応がきっと参考になります。逆にお菓子の歴史や種類、作り方など教えていただきましょう。※1月26日の稽古日のお菓子を、懐紙に記録したという絵の写真です!ご覧ください。あまりに可愛いので、この会報に乗せさせていただく旨、御許可いただきました。
洗心会会報20120201「節分]_d0162246_16295530.jpg


五年前、このように味わい深い一期一会が生まれ出る泉のような稽古場を夢見て、私は洗心会を開きました。目にはそれとは見えねども、皆様によって育てられている一壺天。これからも末長く、縁から絆へと、宜しくお願いいたします。
                 宗光 拝


【1月26日の稽古のおさらい】
玄関
 色紙 『水を守る神の若井を汲みにけり』 山本柊花 句
   飾り  岡目(お福さん)の面
   花   えんどう豆の花

広間
 軸  『福は内』 
   花   山茱萸(さんしゅゆ) 日向水木(ひゅうがみずき) 白梅
   花入  升   みたて    時代
   香合  宝珠 志野焼
   釜   海老 真型(しんなり)
小間
   色紙 『且座喫茶』  大徳寺 佐藤朴堂
   花   椿(初瀬山) 接骨木(にわとこ)
   釜   姥口
   結界  織部

<花のはなし>
山茱萸は山グミと書くように秋にはグミのような食べられる赤い実をつけます。
別名を「春黄金花(はるこがねばな)」といい、葉の出る前に黄色い小さな花をつけ、木全体が早春の光に黄金色に輝くよう。
洗心会会報20120201「節分]_d0162246_16324287.jpg
<薄器の扱い>
春秋棗  表千家 十三代 即中斎お好み (2枚の替え蓋は梅と菊)
   老松茶入  〃  六代  覚々斎お好み (山崎妙喜庵の松、蝶番、割蓋)
 ※いずれも平棗の扱い(右手で横からあしらって左手を薄器の下へ回し持つ)
  老松は縦に「リ」の字に清める。開け閉めは蓋の右のみ。拝見の際は右側を「ノ」の字に拭く。

毎回、いろんな薄器の扱いの挑戦しましょう!どんな棗も扱いは「丁寧に美しく」です。
★初釜の集合写真です。
洗心会会報20120201「節分]_d0162246_16291072.jpg

[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[
松浦 宗光(ひかり)
102-0084 千代田区二番町9-2-401
090-1540-6771
http://hsuzuki.exblog.jp/紀尾井町茶道倶楽部 洗心会 主宰
稽古場 千代田区紀尾井町清水谷偕香苑
http://tokyosadou.exblog.jp/ (ブログ)
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
by tokyo-sadou | 2012-02-01 08:30 | 会報バックナンバー
<< お稽古風景。 洗心会会報20120123「明歴々」 >>